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運輸安全マネジメント

平成18年10月から、運輸安全マネジメントシステムの導入に伴う自動車運送事業法関係法(道路運送事業法及び貨物自動車運送事業法)の一部を改正する法律が施行されました。
輸送の安全の確保」が最も重要であることを自覚し、絶えず、「輸送の安全の向上」に努めなければならないという責務規定が追加されました。

この運輸安全マネジメントには、
努力義務の部分と義務付けされている部分があります。

何らかの原因で、立ち入り監査を受けることになってしまったような場合、
これらが未実施であることが確認された場合には改善指導を受けることになります。

改善報告がなされない場合には、行政処分を受けることになります。

Ⅰ 貨物自動車運送事業に係る安全マネジメントに関する指針(告示第1090号)

安全規則第2条の2(輸送の安全)
貨物自動車運送事業者は、経営の責任者の責務を定めることその他の国土交通大臣が告示で定める措置を講ずることにより、絶えず輸送の安全性の向上に努めなければならない。

1. 輸送の安全に関する経営者の責務を定めること
(社長の安全に関する宣言でもあり、運行管理者や、他の中間管理職任せにはできないということの再認識を要求しています。)
2. 輸送の安全に関する責任ある指揮命令系統、社内組織の構築
(緊急時の連絡体制が整っていることが求められています。)
3. 輸送の安全に関する基本方針を策定し、全従業員に周知徹底する
(下記の告示第1092号の中で義務付けられている項目でもあります。)
4. 輸送の安全に関する基本方針に基づき、目標を設定する
(下記の告示第1091号、1092号の中で義務付けられている項目でもあります。)
5. 輸送の安全に関する目標を達成するために、安全に関する計画を作成する
(下記の告示第1091号、1092号の中で義務付けられている項目でもあります。)
6. 輸送の安全に関する計画の実施及び管理
7. 輸送の安全に関する情報の共有
8. 事故、災害等が発生した場合における連絡体制の構築
9. 輸送の安全のための人材育成のための研修等の実施
(下記の告示第1092号において義務付けられている項目でもあります。)
10. 輸送の安全に関するチェック
11. チェックの結果を踏まえ、業務の改善策を講じる
システムの構築
輸送の安全をP(計画)→ D(実行)→ C(チェック) → A(見直し)というサイクルを活用し、輸送の安全を継続に改善・向上を目指すシステム作りを要求しています。
12. 輸送の安全に関する情報の公表
(下記の告示第1091号において義務付けられている項目でもあります。)
13. 輸送の安全に関する情報の保存、管理
(記録の保存は、法定で義務づけられている帳票類についても求められていますが、実行したことは帳簿、安全教育簿、会議録等で記録しておく必要があります。)

Ⅱ 貨物自動車運送事業輸送安全規則第2条の8第1項の規定に基づき一般貨物自動車運送事業車等が公表すべき輸送の安全に係る事項(告示第1091号)

安全規則第2条の8第1項(一般貨物自動車運送事業者等による輸送の安全にかかわる情報の公表)

1 一般貨物自動車運送事業者等は、毎事業年度の経過後100日以内に、輸送の安全に関する基本的な方針その他の輸送の安全に係る情報であって国土交通大臣が告示で定める事項について、インターネットの利用その他の適切な方法により公表しなければならない。
2 一般貨物自動車運送事業者等は、輸送の安全確保の命令、事業改善命令又は行政処分を受けたときは、遅滞なく、当該処分の内容並びに当該処分に基づき講じた措置及び講じようとする措置の内容をインターネットの利用その他の適切な方法により公表しなければならない。

安全対策は、経営の最重要課題であり、法令遵守が出来ない事業者については、市場からの退場を余儀なくされるというリスクを負うことになります。

全運送事業者に求められていること

毎事業年度終了後100日以内に以下のことについて情報の公表をしなければなりません。(未実施の場合は、行政処分の対象となります。)

安全情報の公表

(1) 輸送の安全に関する基本的な方針
(2) 輸送の安全に関する目標及びその達成状況
(3) 自動車事故報告規則第2条に規定する事故に関する統計

一定規模以上の事業者は、前項に掲げるもののほか、次の6項目が義務付けられています。

(4)安全管理規定
(5)輸送の安全のために講じた措置及び講じようとする措置
(6)輸送の安全に関する情報の伝達体制及びその他の組織体制
(7)輸送の安全に関する教育及び研修の実施状況
(8)輸送の安全に関する内部監査の結果並びに改善策等
(9)安全統括管理者に係る情報

Ⅲ 貨物自動車運送事業輸送安全規則第10条第7項の規定に基づき貨物自動車運送事業者が従業員に対して指導及び監督を行うために講じるべき措置(告示第1092号)

安全規則第10条第7項(従業員に対する指導及び監督)
貨物自動車運送事業者は、従業員に対し、効果的かつ適切に指導及び監督を行うため、輸送の安全に関する基本的な方針の策定その他の国土交通大臣が告示で定める措置を講じなければならない。
未実施の場合は、行政処分の対象となります。)

指導・監督指針

・輸送の安全に関する基本的方針の設定、従業員への周知
・基本的方針に基づく輸送の安全に関する目標の設定
従業員に対する教育及び研修
事故、災害等に関する報告、ヒヤリ・ハットに関する効果的な事例その他の安全教育に資する情報の適切な伝達

まず、安全マネジメントシステムという大きな枠組みがあり、全運送事業者はそれを出来る限り取組んでいくことが求められていますが、そのうちでも最低限やらねばならないことが告示第1091、第1092号の中で義務付けられているのです。
一見非常に大変なことのように思われるかもしれませんが、一度システムを構築して、内部チェックの方法さえ分かればそれほど大変なものではありません。

一番怖いのは、わかってはいるがなかなかね・・・と手を出さずに日々過ごしてしまうことではないでしょうか?

確かに、今後も重大事故を起こすこともなく、平穏に事業を営んでいくことが出来るのであれば、国交省もこんなに面倒なことをやらせようとは考えないでしょう。

平成17年4月25日に発生したJR福知山線脱線事故では運転士と乗客を合わせて、107名が死亡した事故は記憶に新しいところです。
このように運送事業者がひとたび事故を起こすと大惨事につながることが少なくありません。
国土交通省のHPには、重大交通事故の事例がたくさん公開されています・・・
事業用自動車を運転する運転者は、運転のプロであるという自覚を持つと同時に、他の交通弱者を守るという意識が大切です。
どんな人がハンドルを握っているかはわかりません。イライラしている人、急いでいる人、そういう意味においては、常に危険と隣り合わせであるという認識を持ち続けていること、それが大切なことだと感じます。

運転者に「気をつけて!」と言っても、事故防止にはつながりませんよね?

運行前点呼を済ませ出庫すると、その後は運転者任せとなってしまいがちですが、これも問題のひとつであり、その点について日々運転者と情報交換をし、問題が見つかれば改善指導し、事故防止に努めていかなくてはなりません。
つまり、それが、安全マネジメントシステムの実施なのです。
決して難しいことではありませんよね?
安全に関する感受性を低下させずに、日々実行していくことしかありません。
運送事業を営んでいる限り、毎日、毎日、継続的に・・・です。

ひとたび事故を起こしてしまうと、社会的信用は失墜します。
人身事故の場合には、負傷者に対する補償等、思わぬ出費が発生します。
荷主からは運送契約を解除されるリスクが発生します。
仕事が減れば、従業員を解雇せざるを得なくなります。
事業廃止に追い込まれる可能性があります・・・

そんな負の連鎖を想像すると恐ろしくなりますが、安全に関してしっかりと取組み、社会や荷主から信頼されることが、逆に選ばれる企業になるのではないでしょうか?

運送事業者の皆さんは、どうぞこの安全マネジメントシステムの構築に取り組み、この厳しい状況を生き残る強い企業に、選ばれる企業になってほしいと願っております。

※ 旅客自動車運送事業者の皆さんも根拠条文こそ違いますが、取組んでいくべきこと、義務付けられていることは、すべて同じです。
介護タクシー、一般乗用旅客自動車運送事業、一般貸切運旅客自動車送事業の方もどうぞご相談ください。

  • 旅客自動車運送事業に係る安全マネジメントに関する指針(告示第1087号)
  • 旅客自動車運送事業運輸規則第2条の2
  • 旅客自動車運送事業運輸規則第38条第8項の規定に基づき旅客自動車運送事業者が従業員に対して指導及び監督を行うために講じるべき措置(告示第1088号)
  • 旅客自動車運送事業運輸規則第38条第8項
  • 旅客自動車運送事業運輸規則第47条の7第1項の規定に基づき旅客自動車運送事業者が公表すべき輸送の安全に係る事項(告示第1089号)
  • 旅客自動車運送事業運輸規則第47条の7第1項

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